祖父母と会話できる墓石

私の実家の墓石は、今から約35年以上前に、亡くなった祖父が買ったものです。
その墓石は毎年、盆になると父が早朝から洗いに行き、私もたまについて行って手伝いをしていました。
墓石がある墓地から実家までは車で15分ほどの距離なのですが、帰りの道中は、子供ながらになんとなく良いことをしたという清々しい気分になり、家に着いてから食べる朝食がすごくおいしかったことを今でも覚えています。
私が小学生の高学年の時、祖母がある病気で入院しました。
私は昔からおばあちゃん子だったので、病院にいる祖母のことを思うと、寂しくて寂しくて仕方ありませんでした。
病院は私が通う小学校の、通学路の途中にあったため、私は毎日のように下校中に病院へ行き、祖母や診まいに来ていた親戚と話をし、おやつを食べてから家へ帰っていました。
そんなことが約2年も続きましたが、私は中学校へ進学すると、通学道路がまったく違ったため、それまでのようには祖母には会えなくなりました。
そして、それからほんの数ヶ月経った頃に、祖母は息を引き取ってしまいました。
私は病院でも家でも大泣きに泣いて、祖母がいなくなってしまったという現実が、なかなか受け入れられずにいました。
祖母の死をきっかけに、私は夕食前には必ず仏壇の前で手を合わせることにしました。
これは、それから25年以上経った今でも続けています。
いつもその日にあったことや、見守っていてほしいといった願いを祖母に伝えています。
私はこれまでも、何か辛いことがあると、盆や正月などには関係なくても墓石まで行き、祖母へ報告しています。
私が20代後半に祖父も亡くなったのですが、今では祖父母にいっしょに近況や悩みなどを伝えているのです。
墓石の前で手を合わせ、祖父母と心の中で会話すると、なんとなく気持ちが落ち着いていくのでした。
私はさらに数年後、結婚しました。
結婚後2年間は子供がいなかったため、盆と正月は妻といっしょに墓石へ行き、お墓参りをしていました。
今は7歳の娘と5歳の息子もいっしょに暮らしています。
5年前に同じ市内の郊外へ、家を建てたため、この墓石からは少し距離が離れてしまいましたが、今も変わらず盆と正月にはお墓参りに行っています。
そして、何か伝えたいことがあるたびに墓石まで行くのですが、今では子供たちもついてきてくれる事があります。
私のそんな姿に、祖父母も笑顔で応えてくれてる気がして、ついつい子供たちのことも手を合わせながら、心の中で会話してしまうのです。

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